「人を責める前に、仕組みを変えろ」
看護現場にこそ効く一冊
「なんでちゃんとやってくれないんだろう」
看護の現場にいると、一度は思ったことがあるはず。
インシデントが起きるたびに、「注意不足」「確認不足」と“人”にフォーカスされる。
でもこの本、松村真宏の『仕掛学』は、その前提をひっくり返してきます。
結論から言うと、この本の核心はシンプルです。
「人は変えられない。でも、行動は変えられる」
そしてそのために必要なのが、“仕掛け”。
仕掛けとは何か?
仕掛けとは、
「ついやってしまう」ように設計された環境や工夫のこと。
ポイントは強制じゃないこと。
・命令しない
・罰を与えない
・教育に頼らない
それでも自然と行動が変わる。
例えば有名な例でいうと、
・ゴミ箱をバスケットゴール風にする ➡︎ ゴミを捨てたくなる
・足跡マークを床につける ➡︎ 並びたくなる
つまり、
「やらせる」のではなく、「やりたくさせる」
これが仕掛学の本質です。
なぜ看護現場に刺さるのか
ここが一番重要。
看護の現場って、めちゃくちゃ“人依存”なんですよね。
・ダブルチェックしてください
・指差し呼称しましょう
・声出し確認を徹底しましょう
全部「人の意識」に頼ってる。
でも現実はどうか。
忙しい
疲れてる
人手不足
→ やるべきことが分かってても、できない
だからエラーが起きる。
本書の本質は「性善説でも性悪説でもない設計論」
この本、ただのアイデア集ではないです。
むしろ裏にあるのはかなりロジカルな設計思想。
人は
・楽な方に流れる
・面倒なことは避ける
・意味がないと動かない
これを前提にする。
つまり、
「ミスする人」を前提に設計する
ここがめちゃくちゃ重要🚨
看護現場での具体的な応用
じゃあこれをどう使うか。
いくつか具体例出します。
①ダブルチェックを“やらせる”のをやめる
よくある対策
→「必ずダブルチェックしてください」
仕掛け思考だとこうなる。
👉 チェックしないと先に進めない構造にする
例:
・電子カルテで確認しないと入力確定できない
・チェック済みでないと薬が出てこない配置にする
②インシデント報告を増やす
よくある対策
→「積極的に報告してください」
現実
→ 面倒だからやらない
仕掛け化すると
👉 報告したくなる設計にする
例:
・1分で終わる入力フォーマット
・報告すると即フィードバックが返る
・“責めない”が伝わるUI・言語設計
③物品管理のミス
よくある対策
→「元の場所に戻してください」
仕掛け化
👉 戻さないと気持ち悪い状態にする
例:
・影絵管理(シルエットで配置)
・空きが一目で分かる棚設計
「教育」から「設計」へ
この本を読んで一番感じるのはこれ。
教育には限界がある
もちろん教育は必要。でもそれだけじゃ足りない。
・注意しても忘れる
・分かっててもミスる
だから必要なのは
👉 “ミスできない構造”
看護師こそ「仕掛ける側」に回れ
この本をただ読むだけだと、
「面白いな」で終わります。
でも本質は違う。
👉 自分が“仕掛ける側”になること
現場を見て、
・どこで判断しているか
・どこで迷うか
・どこで省略されるか
これを観察する。
そして、
👉 判断を消す設計を入れる
まとめ:人を変えるな、構造を変えろ
『仕掛学』は、
一見すると軽いアイデア本に見えます。
でも実際は、
「人に依存しない仕組みを作る」という強烈な思想の本📚
看護の世界に置き換えるとこうなる。
・ミスを責めるな
・注意喚起に頼るな
・教育だけで解決しようとするな
👉 構造を変えろ

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